精巣腫瘍
そもそも精巣腫瘍とは?
精巣を構成する細胞が腫瘍化したものを精巣腫瘍と呼びます。
20歳前後に多く、自覚症状としては、精巣にしこりを触れる、左右の精巣の
大きさの違いに気づくなどで強い痛みなどの症状は伴わないケースが多いです。
精巣腫瘍を患うとどうなるの?
精巣腫瘍は症状が乏しいことから発覚する頃には転移を来しているケースが
少なからずあります。腫瘍が体中に転移していない場合は手術で根治することは
可能ですが、転移を来している場合は、追加で抗がん剤治療や放射線治療を併用することがあります。
原因は?
早産、低体重児、未熟児などがリスクとして挙げられ、高身長もリスクの一つとも
いわれています。また、停留精巣といって、お腹のなかに精巣がとどまり、
陰嚢内部まで精巣が降りてきていないという既往を持たれている方も腫瘍化してしまうリスクとして挙げられます。
評価方法は?
採血(腫瘍マーカー)、触診、超音波検査を用いて診断します。
通常超音波検査にて即座に診断されるケースがほとんどです。
診断のために組織を採取して診断することは推奨されません。
治療法は?
第一に即座に腫瘍部ごと精巣を摘除することが必要です。
精巣腫瘍は性質上体中のリンパ節に転移を来しやすく、診断されてからは
可能な限り早めに手術を行うことが推奨されています。
転移を来していたとしても治療と診断目的に患部の精巣は摘除します。
摘除した腫瘍の性質にもよりますが、追加で放射線療法や、抗がん剤治療を行うこともあります。
精巣腫瘍のステージは3期に分けられ、ステージごとに治療法が異なります。
ステージ1期:精巣腫瘍のみで転移を来していない状態。
手術のみで再発がないか経過を診ることもあります。
切除した腫瘍の性質次第では追加で腹部のリンパ節を切除する場合が
あります。
ステージ2期:横隔膜以下のリンパ節に転移があり、手術で精巣腫瘍を摘除後、
抗がん剤または放射線治療を選択します。
腫瘍の性質によって推奨治療が変わります。
ステージ3期:肺や、肝臓などの臓器に転移がある場合は抗がん剤治療に加え、
腫れのあるリンパ節の切除などを併用して治療が行われます。