膀胱炎
そもそも膀胱とは?
膀胱とは、尿を体内に一時的にためておくことができる臓器です。鳥類などと違い、哺乳類は尿をためて自分の意思で排尿をコントロールすることができます。
脳と膀胱は密接な関係性があり、排尿するという行為はとても複雑なメカニズムで管理されています。そんな排尿に関する主役が膀胱です。
膀胱炎とは?
膀胱の中は基本的には細菌は全くいません。ただ、ご年齢次第で細菌が常に膀胱にいる状態となることがあります。細菌がいること自体は悪いわけでもなく、細菌が少しでもいるからと言って除菌しなければいけないというわけではありません。
ただ、その細菌が膀胱の粘膜に侵入し、その侵入した細菌と体の免疫をつかさどる細胞が戦いをはじることを炎症と言います。この状態を膀胱炎と診断します。この場合、治療を必要とします。
おしっこを出すという行為は、ただ水分を出すだけでなく、細菌を体内から追い出すという自浄作用もあります。正しい排尿が行えているか排尿機能を調べ、管理していくこともとても大切になります。
症状は?
「おしっこを出すときに痛む」「いつもより尿の回数が増えてきた」「尿意を感じたら我慢できずすぐにトイレに行きたくなる」「血尿が出た」「尿が普段より出づらい」などの症状がでます。
評価方法は?
当院では尿検査によって尿を精密に調べます。炎症反応が起きているか、炎症を起こしている物質があるかなど簡単にチェックできます。
追加で尿の培養検査を行い原因となっている菌を確認します。
また先に述べたように、排尿機能も極めて大切です。超音波や尿の勢いを調べることで、正常な排尿ができているかを追加で診ることができます。
治療法は?
治療法は抗生剤を用いて行います。培養結果を参考に原因となっている菌に対して的確に抗生剤を選択することが大切となります。
現在の医療問題の一つとして「抗生剤が効かない細菌の増殖」があります。抗生剤は進化してきましたが、決して万能薬ではありません。細菌も進化しています。抗生剤を投与しても治らない細菌が増えており、原因は誤った仕方での抗生剤の内服です。治りにくい細菌が体の中で強くなっていくことを防ぐために、当院では患者様にあった抗生剤の内服の仕方、排尿管理をご案内しております。
おしっこが近い=膀胱炎だろう=抗生剤をのむという単純な理論ではないのです。
膀胱炎の症状に加えて発熱のある場合は腎盂腎炎の可能性がありますので下記ページをご確認ください。